早春の京都


  今年で33回目になると言う「京都の冬の旅」という京都市内巡りのバスに乗りました。普段は公開されていないお寺の庭とか内部を公開するものです。これは、別にバスに乗らなくても個人でも行く事は出来るのですけれど、効率の良さと説明付きなのが便利です。今回利用してみて、京都の通りにまつわる説明とか、そんなに有名ではないお寺などの説明を聞けたのは、思ってもいなかったのでとっても良かった。

龍泉庵

  最初に訪れたのは妙心寺の龍泉庵です。ここのふすま絵はごく最近描かれたもので、残念ながら好みには合いませんでした。でも、玄関に描かれている「昇竜図」は、迫力のある竜です。中に入ってみる事が出来ないので、頭を突き出して竜の図をぐるりと鑑賞しました。

龍泉庵  昇竜図

  このテナガザルは、長谷川等伯の作品で、元々屏風だったものが、分割されて掛け軸として残されているそうです。

テナガザル  テナガザル

天球院

  妙心寺は大変大きなお寺です。普段公開されている場所に以前訪れて、その時も大変素敵だと思った覚えがあります。今回拝観した龍泉庵と天球院は、だいぶ間が離れているので、以前拝観したところを懐かしく思いながら歩きました。天球院では写真撮影が出来ませんでした。狩野山楽・山雪のふすま絵の「竹虎図」などを拝観しました。案内の大学生が絵の構図などを丁寧に説明してくれました。虎の絵が不自然なのは、実際に目にした事が無くて、輸入された毛皮を弟子に着せて描いたものだからです。一匹いる豹は雌の虎と思われたからとか。ここは、秋の紅葉も色鮮やかなようです。写真を覗いたら、燃えるような真っ赤な紅葉でした。

金閣寺

  次に訪れたのは金閣寺の方丈です。ここでは狩野外記のふすま絵を拝観しました。普段は池の畔を散策しますけれど、今回はその池や金閣を、松越しに見る事になりました。五葉松の「陸舟の松」は、本当に船を思わせるように枝が伸びていました。盆栽の松がそのように生長したとの事ですが、やはり手入れが並大抵ではなかったのでしょうね。お庭も手入れが良くて気分良く拝観できました。

金閣寺 方丈  陸舟の松

方丈 庭園  

ふすま絵

  金閣は遠すぎて、陸舟の松は近すぎて上手く写真が撮れませんでした。でも、目でしっかりと眺めたので満足しています。

妙法院

  最後に訪れたのは妙法院です。ここは、天台三門跡の一つです。庫裏で国宝なのは、松島の瑞巌寺とここの二つだけだそうです。ここは、お庭もすべて写真撮影が禁止されていました。入ってすぐの庫裏の天井は、梁の太さ、天井の高さに圧倒されました。空気抜きの穴は階段が付けられていて、その時の状況で窓を開け閉めしたり、火の見櫓の用も兼ねていたそうです。この庫裏は方広寺大仏殿の千僧供養を行うために作られたそうです。ふすま絵の「四季花鳥図」は大変見事でした。ここは、幕末の七卿落ちの舞台になったところで、七卿がここに集まってから長州へ逃れていったのだそうです。

  ここには、秀吉ゆかりの品々が納められています。国宝の「ポルトガル国印度副王信書」をはじめとして、たくさんの品が収蔵されていました。このお寺は、お庭の手入れも素晴らしかった。

妙法院

                                        (2004.03.16 掲載)




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